インピンジメント症候群の治し方としてストレッチは有効?原因は?

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肩のトラブル
  • インピンジメント症候群の治し方でどんなストレッチが有効か分からない
  • そもそもインピンジメント症候群がどんな原因で起こるのかが気になる
  • インピンジメント症候群と言われたが自分で肩の痛みが治るのか、治らないのか不安がある
  • 自分がインピンジメント症候群なのか、セルフチェック方法を知りたい

 

この記事前半ではインピンジメント症候群の治し方で有効なストレッチ方法や、インピンジメント症候群が起こる原因や五十肩との違いといった内容をお伝えします。

 

記事の後半では、インピンジメント症候群をセルフチェックする方法、そしてあなたのインピンジメント症候群は治るのか、治らないのかについて理学療法士が分かりやすく専門的に解説しますので、ぜひ最後までご覧になってください。

 

筆者:いしP 

理学療法士を15年、年間7500人以上の肩のトラブルを抱えた人が来院する整形外科で、五十肩リハビリ治療責任者として在籍中しています。

実際に治療を受けてみたい方はこちらから

Instagramもご覧いただけるとより深く肩のトラブルが理解しやすいと存じます!

インピンジメント症候群の治し方は?

ズバリ!

インピンジメント症候群の治し方としてはストレッチが有効です!

ですので、インピンジメント症候群の治し方に有効なストレッチの方法を3つ紹介します。

 

インピンジメント症候群に有効なストレッチを紹介

インピンジメント症候群に有効なストレッチ方法を3つご紹介します。

 

インピンジメント症候群に有効な後方関節包&棘下筋ストレッチ

 ステップ1:腕をまっすぐに伸ばす

 ステップ2:反対側の手で肘関節を水平内転方向へ引く

ステップ3:呼吸をとめず、そのまま20秒程体勢をキープします

*角度を変えて気持ちよく伸びているところを探すのもOK

 

・インピンジメント症候群に有効な小円筋ストレッチ

ステップ1:伸ばしたい方の手のひらを腰の上の方に当てます

*痛みがある人は腰じゃなくてお腹に近い方に手を当ててもOK

ステップ2:反対の手で肘を持ち、前に倒していきます

ステップ3:呼吸をとめず、そのまま20秒程体勢をキープします

 

・インピンジメント症候群に有効な上腕三頭筋ストレッチ

ステップ1:腕を上げて、肘を曲げて、手は首の後ろに持っていきます

ステップ2:反対の手で、肘をつかみます

ステップ3:肘を下の方向へ押し、上腕後面を伸ばし、呼吸をとめず、そのまま20秒程体勢をキープします

まずはこの3つのインピンジメント症候群に有効なストレッチを1週間やってみましょう。

しかしながらなぜインピンジメント症候群が発生してしまうのか、次はその原因は何なのかをお話ししていきます。

 

インピンジメント症候群が起こる原因は?

インピンジメント症候群が起こる原因について説明します。

このインピンジメント症候群の原因について、こちらの海外の論文では

 

肩挙上時に、上腕骨頭が烏口肩峰アーチ

(肩峰と烏口突起を結ぶ烏口肩峰靱帯で形成されるアーチ)

スムーズに通過できず、痛みを引き起こすこと

C S Neer:Impingement lesions.Clin Orthop Relat Res. Mar;(173):70-7.1983.

 

と報告されています。

簡単にお伝えすると、バンザイをする際に関節内では上腕骨頭が肩の組織同士でぶつかったり、巻き込むことで痛みを引き起こします。

この図のように肩関節周りはかなり複雑にいろいろな組織が緻密に配置されているので、肩の運動に合わせて組織同士が

  • ぶつかる
  • 引っかかる
  • 巻き込む

ということが発生しやすいわけです。

 

では、その上でなぜ上腕骨頭はスムーズに通過できずぶつかってしまうのでしょうか。

それは4つの要因が関係しています。

 

  • 腱板棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋の機能不全
  • 後方関節包の硬さ
  • 肩甲骨の位置動きが悪い
  • 姿勢不良

 

少し難しいので簡単にお伝えすると、肩は先にお伝えした通り、組織が複雑に配置されています。

そしてとても繊細な関節です。

 

筋肉の働きが衰えたり、硬くなったり、姿勢のバランスが変わるとそれだけの変化でも肩がスムーズに動かなくなってしまいます。

その結果、インピンジメントを起こしてしまいます。

 

インピンジメント症候群は動作時の肩の痛みが主な症状として出現しますが、時に五十肩と間違われることもあり、注意が必要です。

では、インピンジメント症候群と五十肩の違いはなんでしょうか。

 

インピンジメント症候群と五十肩の違いは?

インピンジメント症候群と五十肩の違いについてお答えします。

主に好発年齢と、痛みの質が異なります。

 

インピンジメント症候群はスポーツをアクティブに行なっている10〜30代に好発します。

五十肩はその名の通り40〜50代に多い疾患です。

 

痛みの出現について、インピンジメント症候群動作の途中で発生します。

五十肩の炎症期の場合は安静時や夜間も痛みがあります。

 

ただ40-50代でインピンジメント症候群を起こす場合も当然あり、広義ではインピンジメント症候群も五十肩に含まれます。

ですので、

  • スポーツをきっかけとした10-30代の肩の痛みはインピンジメント症候群
  • 40-50代で姿勢の変化、肩の組織が衰えて発生した肩のインピンジメント症候群は五十肩

 

というような表現が主流かなと思います。

 

インピンジメント症候群と五十肩の違いを説明しましたが、今度は自分がインピンジメント症候群なのかどうかをセルフチェックする方法がありますので、ご説明します。

 

インピンジメント症候群かどうかをセルフチェックする方法は?

インピンジメント症候群にはセルフチェックする方法を3つご紹介します。

 

・インピンジメント症候群のセルフチェック方法1

ステップ1:まず肘を真っ直ぐ伸ばします

ステップ2:そのまま小指を上にして、そのまま内側にひねって上げます

この時に肩に痛みを感じたら、インピンジメント症候群の可能性があります。

 

・インピンジメント症候群のセルフチェック方法2

ステップ1:痛みのある方の腕を水平になるように上げます

ステップ2:腕を上げたら、その状態のまま肘を直角に曲げます

ステップ3:曲げた手をひねりながら内側に倒します

この時肩に痛みを感じたら、インピンジメント症候群の可能性があります。

 

・インピンジメント症候群のセルフチェック方法3

ステップ1:腕を伸ばし、腕を挙上します

腕を上げて、関節の角度が80°~120°になると痛みを感じるとインピンジメント症候群の可能性があります。

 

インピンジメント症候群が発生する原因は先にご紹介した通り、上腕骨頭の通過の際に衝突や巻き込みを起こすことで発生します。

この3つのテストは、わざとその衝突や巻き込みを誘発するような動作になっていますので、セルフチェックを実践した際に痛みがあれば陽性になるわけです。

 

これらの3つのセルフチェックでインピンジメント症候群かどうかを試してみてください。

1つでも当てはまったらインピンジメント症候群の可能性があります。

 

セルフチェックに当てはまってしまった方は、自分の痛みが治るのか心配ですよね。

次はインピンジメント症候群が治る場合と治らない場合、その対処法についてお話します。

 

こんなインピンジメント症候群は治る!

インピンジメント症候群が治る場合と、治らない場合があります。

まずはインピンジメント症候群が治る場合をお話します。

 

 

それは、投球など頭上より上に腕を振り上げるスポーツを起点に発症し、2〜3週間の運動制限を行えば症状が軽快する場合です。

その後肩を動かした時にはもう痛みがないことが多いです。

 

これはなぜかというと、先ほどインピンジメント症候群が発生する4つの原因として、

  • 腱板(棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋)の機能不全
  • 後方関節包の硬さ
  • 肩甲骨の位置や動きが悪い
  • 姿勢不良

を挙げました。

この中で肩を痛めて腱板の機能不全を起こした場合に、一時的な症状で痛めた腱板さえ治癒してしまえばインピンジメント症候群の症状は起こらないからです。

 

こんなインピンジメント症候群は治らない

次は残念ながら、インピンジメント症候群が治らない場合です。

それは、先ほどと同様に2〜3週間の運動制限を行っているにも関わらず痛みが軽減しない、または一時的に痛みが軽減するも肩を動かすと痛みが続く場合です。

 

その理由は、2〜3週間の運動制限をしても痛みが軽減しない場合に先ほどインピンジメント症候群が発生する4つの原因

 

  • 腱板(棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋)の機能不全
  • 後方関節包の硬さ
  • 肩甲骨の位置や動きが悪い
  • 姿勢不良

 

を挙げました。

 

しかし、これらが慢性的に発生している場合は治療しないと治りません。

具体例としては、腱板や関節包は自己治癒で治るレベルでなくかなり強い拘縮を起こしている。

痛みを回避する姿勢や動作を繰り返すことで、肩甲骨の位置や姿勢が悪くなってしまっているなどが考えられます。

 

すると少し休養をとったくらいでは変化がなくインピンジメント症候群はまた発生してしまいます。

こうなると放っておいてもなかなか改善しませんのでしっかりとした治療が必要です。

 

この時はまずはご紹介した3つのストレッチを実践してみましょう。

そしてそれでも良くならない場合は整形外科や肩を専門とした治療者に診てもらうことが大切です。

 

インピンジメント症候群の治し方でストレッチは有効?まとめ

最後に、インピンジメント症候群の治し方でストレッチは有効かの重要なポイントを一緒に振り返りましょう。

 

  • インピンジメント症候群の治し方はストレッチが有効で、後方関節包ストレッチ、棘下筋、小円筋、上腕三頭筋をストレッチをご紹介しました
  • インピンジメント症候群の原因は、肩挙上時に、上腕骨頭が烏口肩峰アーチをスムーズに通過せず、上腕骨頭が腱板や肩峰下滑液包にぶつかり、痛みを引き起こすことです
  • インピンジメント症候群は、症状が似ている五十肩と間違えられることがあり注意が必要です
  • インピンジメント症候群を判別するセルフチェック方法が3つあります
  • インピンジメント症候群は自然に治る場合と治らない場合があります

2~3週間の運動制限を行っているにも関わらず、痛みが軽減しない、またはすぐに再発する場合には整形外科を受診しましょう

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。

筆者:いしP 

理学療法士を15年、年間7500人以上の肩のトラブルを抱えた人が来院する整形外科で、五十肩リハビリ治療責任者として在籍中しています。

実際に治療を受けてみたい方はこちらから

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