
僧帽筋下部スイッチで猫背改善!デスク姿勢リセット法
猫背で首や肩がつらい
背筋を伸ばしてもすぐに背中が疲れてしまい姿勢が崩れる
そんな猫背からの首や肩の痛みに悩む女性のみなさん。 実は背中の僧帽筋下部が眠ったままだと、どんな高級チェアや寝具を使っても猫背は治りません。
僧帽筋下部スイッチをオンにすると、肩甲骨が自然に寄り、胸がスッと開いて呼吸も深まります。
この記事では、猫背と僧帽筋下部の関係やデスクでできる 30秒セルフチェックをご紹介します。
その後たった3分でできる僧帽筋下部スイッチオン・エクササイズに加えて再発防止のコツまで教えちゃいます!
肩専門理学療法士がわかりやすく解説しますので、読み終えるころには猫背が改善して楽にデスクワークができるはずです。
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筆者:いしP
理学療法士を15年、年間7500人以上の肩のトラブルを抱えた人が来院する整形外科で、五十肩リハビリ治療責任者として勤務し、2025年6月に退職
今はREHA STUDIO Gen-ekiの代表として現役寿命を延伸するという理念のもと、育てていただいた神田で独立。
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Instagramもご覧いただけるとより深く肩のトラブルが理解しやすいです♪
Contents
猫背と僧帽筋下部の関係について
猫背と僧帽筋下部の関係についてご説明します。
僧帽筋は上部・中部・下部の3階建の構造をしておりそれぞれ機能が異なります。
- 上部=肩をすくめる
- 中部=肩甲骨を寄せる
- 下部=肩甲骨を下げながら内側へ引き寄せる
このようにそれぞれ異なった役割を担っているのです。
下記の黄色い丸の部分がおおむね僧帽筋下部にあたります。
肩甲骨を下げながら内側へ引き寄せる作用なので肩甲骨の内側〜下に付着しているのがわかりますよね。
よくトレーニングやスポーツ現場では僧帽筋に力が入ってしまうことが良くないことのように言われますが、これは僧帽筋上部のことです。
僧帽筋下部は多くの人にとってうまく働かせにくく、弱っている場合が多いです。
その結果、肩甲骨を下向き+内向きに引っ張って抑えてくれるベクトルが失われ、肩甲骨は外側へ滑り落ち背中、胸郭が丸まり猫背に直行してしまいます。
次はなぜ僧帽筋下部をうまく働かせることが大変だったり、弱ってしまうのかについてご説明します。
僧帽筋下部を眠らせるデスクワーク
僧帽筋下部を眠らせている大きな原因はデスクワークです。
デスクワークはアッパークロス症候群(UCS)のリスクを高めると言われています。
聞きなれない言葉ですが、カンタンに言うとデスクワークにより僧帽筋上部や頸部の筋肉が過剰に働き、僧帽筋下部の筋力低下を起こすことです。
以下2015年のオーストラリアの論文です。
UCS はコンピューターを使用する人、または 1 日の大半を座って過ごし、継続的に悪い姿勢を示す人に最も多く見られます。
上部僧帽筋、肩甲挙筋、胸鎖乳突筋、大胸筋の過剰な活動と緊張、および深頸屈筋、下部僧帽筋、前鋸筋の相互的な弱化と伸長です。
UCS を呈する人は、頭が前方に曲がり胸椎が前かがみになり、肩が上がって前方に突出し、肩甲骨が翼状に突出し、胸椎の可動性が低下します。
J. Muscolino. “Upper crossed syndrome.” Journal of The Australian Traditional-medicine Society, 21 (2015): 80.
こちらの2022アメリカの論文では、
肩の痛みに関する研究の半数(12件中6件)、および首の痛みに関する研究のすべて(6件中6件)で、僧帽筋下部が顕著な影響を与えることが示されました。肩と首の痛みがある参加者では、僧帽筋下部の筋力が低下し、症状発現までの時間/潜伏期が短縮する傾向があった。
Daniel Wang, Crystal Li, Nicole Hatchard, George C. Chang Chien and J. Alm. “Lower trapezius muscle function in people with and without shoulder and neck pain: a systematic review.” Journal of Osteopathic Medicine, 123 (2022): 73 – 89.
このように記されています。
デスクワークが僧帽筋下部の筋力低下と僧帽筋上部の過活動を引き起こしやすく、猫背や首肩の痛みの原因になると考えられます。
皆さんも心当たりがあるのではないでしょうか。
デスクで座ったままできる猫背セルフチェック
デスクで座ったままできる猫背セルフチェックについてです。
- 椅子に深く座り、背筋を伸ばし骨盤を軽く前傾させる。
- 両腕を前に伸ばし、親指を天井に向けて挙手。
- 親指が耳より後ろへ行かなければ僧帽筋下部スイッチオフで陽性です!
陽性のあなた。
また今後も好調を維持したいあなたにおすすめのエクササイズを3つご紹介します。
僧帽筋下部のスイッチをオンにする3つのエクササイズ
1. デスクdeリトラクション 10回
- 椅子に座り、肘を90°曲げ脇を締める。
- 肘を動かさず肩甲骨だけを背骨へ寄せ、5秒キープ×6回。
2. デスクY字アップ 10回
- 背もたれに軽くもたれ、腕をY字に上げる。
- 親指を天井へ向け、肩甲骨下角を背骨へスライド。
- 10回ゆっくり。
3. バッククロス 10回
- 両手を後ろに回し腰の部分で手をクロスする。
- 左右を入れ替えてもう一回
- 10回ゆっくり
コツ: 腰を反らないで胸を前へ押し出すイメージ。痛みが出る場合は可動範囲を浅くしましょう。
次はこのエクササイズのQ&Aについてお答えしますね。
猫背肩についてよくあるQ&Aとフォームのコツを解説します。
Q. 肩を上げるときに上部僧帽筋ばかり効いてしまう(首の辺りが疲れてしまう)
A. 肘を90°より下げ、親指を常に天井へ向けると下部僧帽筋優位になります。
Q. 何日で効果を感じる?
A. 週3回実践で2週間後に「肩甲骨が寄りやすい」と感じるケースが多いです。
Q. 運動で肩に痛みが出る
A. 可動域を半分に縮め、痛みが出ない範囲で回数を増やしましょう。
最後に今回のまとめです。
猫背肩を根本改善!下部僧帽筋オンでデスク姿勢が変わる まとめ
- 僧帽筋下部は猫背を改善するスイッチとして有効です
- 座ったままできるセルフチェックで弱化を判定して陽性だったあなた
- 僧帽筋下部のスイッチをオンにする3つのエクササイズを実施しましょう
- デスクワークの方はとにかく首や肩の痛みリスク高いのでエクササイズでの予防が重要です
EHA STUDIO Gen‑eki では あなたの現役寿命を延伸するための首肩ケアを行えます!
姿勢解析やストレッチポールを組み合わせたセッションを実施中していますので気になる方はお気軽にご相談ください!
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