漏斗胸で発声が息苦しい理由。理学療法士が教える呼吸の改善リハビリ
ボイストレーニングで「もっと深く息を吸って!」と言われても、どうしても胸が広がらない…。
漏斗胸のせいで、発声のたびに息苦しい思いをしていませんか?
舞台俳優やボーカリストにとって、ロングトーンが続かないのは本当に辛いですよね。
「自分の努力不足なのでは?」と悩む方も多いですが、実はその息苦しい原因、あなたのせいではありません。
結論から言うと、漏斗胸による発声のしにくさは、骨格の構造上、胸郭の上部が広がりにくくなっている物理的な問題なのです。1,2
この記事では、なぜ漏斗胸だと発声時に息苦しいのか、その科学的な理由を分かりやすく解説します。
そして、手術に頼らず自力で胸周りの動きを引き出し、スムーズに声を出せるようになるための具体的な改善リハビリを大公開します!
最後まで読めば、あなたの骨格に合った正しい体の使い方がわかり、今よりもずっとラクに、自信を持って声を出せるようになりますよ。
筆者:いしP
理学療法士を15年、年間7500人以上の肩のトラブルを抱えた人が来院する整形外科で、五十肩リハビリ治療責任者として活躍した経歴がございます。
現在、実際にセッションを受けてみたい方はこちらから
Contents
漏斗胸で発声が息苦しいのはなぜ?理学療法士が教える本当の原因
漏斗胸で発声が息苦しいのはなぜなのか、理学療法士が教える本当の原因についてお答えします。
結論から言うと、胸の骨格が内側にへこんでいることで、肺を包んでいるかご(胸郭)がうまく広がらないからです。
漏斗胸の方は、特に胸の上半分が広がりにくいというデータがあります2
普通なら息を吸うと胸の上半分は前に膨らみます。
しかし漏斗胸の場合は、この動きが制限されてしまうのです。1

息を吸う時、胸骨、肋骨は立体的に動いています。
しかし、漏斗胸の場合はこの骨の動きが一部分だけロックされたような状態になります。2
そのため、ボイストレーニングで「もっと胸に息を入れて!」と指導されても、かご(胸郭)が広がらなければ物理的に難しいわけです。
これは気合いや練習量が足りないからではないのです。
骨格の構造的な問題(バイオメカニクス)が原因なので、自分を責める必要はありません。
胸骨、肋骨が動きにくい状態だと何が起こるのか
胸骨、肋骨が動きにくい状態が続くと、どうなるでしょうか。
肋骨と肋骨の間にある、肋間筋がサボり始めてしまい、力が弱くなります。2
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胸郭がへこんでいて動かない
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動かないから周りの筋肉が弱く、硬くなる
-
筋肉が弱く、硬くなるから、さらに息が吸えなくなる
このような悪循環に陥ってしまうケースが非常に多いです。
だからこそ、骨格の制限があることを理解した上で、筋肉にアプローチすることが大切になります。
このように、骨格の構造的な問題があることが分かったところで、次は手術以外のリハビリでどう改善していくかという具体的なアプローチについてお話ししていきます。
発声時の息苦しい悩みを改善!漏斗胸向け呼吸リハビリ3選
発声時の息苦しい悩みを改善するための、漏斗胸向け呼吸リハビリ3選をご紹介します。
このリハビリ3選の内容ですが硬くなった胸郭周辺の筋肉をほぐし、別の部分をうまく使うことで呼吸は劇的に楽になります。
また胸郭の上半分が硬くなっている影響で、腹直筋など表層の筋肉も縮んで胸郭の動きを制限しています。
この硬くなった腹直筋を緩めることで、胸郭の下半分の動きが出やすくなります。
理学療法士も、この下半分の胸郭の動きをどのように出していくかという注目してリハビリを行います。1

・胸椎の上部を無理に広げず、お腹や下あばらを膨らませる 10回
イラストのように下部の胸郭を前、横から抑えながら、深呼吸をする。
・肩がすくまないように首周りをリラックスさせる 10回
胸郭の上部が硬いと、肩をすくめて首の筋肉に力が入りがち。
わざと肩を思いっきりすくめて、その後ゆっくりと肩の力を抜きます。
・腹直筋を緩めて、胸郭の下部を動きやすくする 10回
お腹の力を抜きながら、腹直筋のあたりを両手の指を使ってぐりぐりする。
最後に、漏斗胸で発声が息苦しい理由。理学療法士が教える呼吸の改善リハビリのまとめです。
漏斗胸による息苦しい悩みを克服し、のびのびとした発声を手に入れよう!まとめ
最後に、漏斗胸による息苦しい悩みを克服し、のびのびとした発声を手に入れるためのまとめをお伝えします。
まず漏斗胸だからといって、気持ちよく歌うことや声を出すことを諦める必要は全くありません。
実際にミュージカルの帯同をしていても、漏斗胸の方は何人も見たことがあります。
息苦しさの原因はあなたの努力不足ではなく、胸の上半分が広がりにくいという骨格の構造にあります2。
原因がはっきり分かれば、正しい体の使い方で十分にカバーできるからです。
今回ご紹介した3つのポイントを振り返りましょう。
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- 胸椎の上部を無理に広げず、お腹や下あばらを膨らませる
- 肩がすくまないように首周りをリラックスさせる
- 腹直筋を緩めて、胸郭の下部を動きやすくする
まずはこの3つを、1週間のお風呂上がりやボイトレ前に試してみてください。
自分の体と正しく向き合い、漏斗胸による息苦しい悩みを克服して、のびのびとした発声を楽しみましょう!
筆者:いしP
理学療法士を15年、年間7500人以上の肩のトラブルを抱えた人が来院する整形外科で、五十肩リハビリ治療責任者として活躍した経歴がございます。
現在、実際にセッションを受けてみたい方はこちらから
参考文献
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Binazzi B, Innocenti Bruni G, Coli C, et al. Chest wall kinematics in young subjects with Pectus excavatum. Respir Physiol Neurobiol. 2012;181(3):211-217. doi:10.1016/j.resp.2011.11.008
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Redlinger RE Jr, Kelly RE, Nuss D, et al. Regional chest wall motion dysfunction in patients with pectus excavatum demonstrated via optoelectronic plethysmography. J Pediatr Surg. 2011;46(6):1134-1139. doi:10.1016/j.jpedsurg.2011.03.047
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