肩自在でストレッチポールを使用する理由について

肩自在でストレッチポールを利用する理由

肩自在でストレッチポールを利用する理由についてご説明します。

それはズバリ、身体の変化を体感しやすいからです。

 

現在の肩自在の治療では、

  1. 手技
  2. 運動療法(トレーニング)
  3. ストレッチポール

 

これらを一人ひとりの身体を評価した上で、最適に処方しながら治療プログラムを実施します。

今回はストレッチポールについて、どうしてストレッチポールで身体が変化しやすいのか、いつから専門的に使っているのか、どういったメリットがあるのかについてお話ししていきます。

 

ストレッチポールはどうして身体の変化を感じやすい?

ストレッチポールはどうして実施すると体に変化を感じやすいのか。

それはストレッチポールの効果である、

身体をリセットするという効果が大きく機能していると考えられます。

 

身体をリセットするとは

身体をリセットするというのはどういうことか説明します。

人間は普通に仕事や家事をおこなっている時も、ただ座っているだけの時も常に重力の影響を受けた姿勢をとっています。

 

ですので、自分では大したことをしていないと思っても、実は姿勢を維持するのには常に何らかの筋肉が働いています。

そうして筋肉は疲労し、硬くなり姿勢が崩れます。

 

姿勢の崩れは基本的に寝たらある程度は回復するのですが、数年単位ではなかなか寝ただけで姿勢のストレスがリセットされることはありません。

この姿勢のストレスが数年単位で継続的にかかることにより、身体を痛めたり不具合が生じるのです。

 

こうして崩れて不具合が生じた姿勢をリセットするのがストレッチポールの大きな利点です。

ポールの上に仰向けになるだけで、重力に抗していた筋肉をリラックスさせることができます。

するとデスクワークだけでは絶対に使わない、胸の開き、肩甲骨の引きつけ、腹横筋の活動を上げることができるのです。

実際に日本の論文でも

肩甲骨位置に与える即時効果として、内側方向に誘導する

中嶋 慧, 江尻 廣樹, 徐 春希, 橋本 恵理子, 丸山 公, 篠田 良平:ストレッチポールを用いたベーシックセブンが肩甲骨位置に与える即時効果,第29回関東甲信越ブロック理学療法士学会書誌.2010.

 

ストレッチポールを使用したエクササイズが胸部の可動性を向上させる

higeki Yokoyama et al:The effect of “the core conditioning exercises” using the stretch pole on thoracic expansion difference in healthy middle-aged and elderly persons,Journal of Bodywork and Movement Therapies,Volume 16, Issue 3, P 326-329,2012.

腹横筋エクササイズとして,ストレッチポールの使用は有効

布施 陽子, 矢崎 高明, 福井 勉:安静背臥位とストレッチポール上背臥位における腹筋群筋厚の検討,理学療法科学,27巻 1号,2021.

以上のように報告されています。

それ以外でも、腰部背部の筋肉の緊張を緩めるのに有効であったり、胸郭を開いて呼吸の機能を上げるなどの報告もあります。

 

ストレッチポールなしで普通に寝ているときと何が違うの?

でもそんなこと言うならストレッチポールなしで寝ている時だって同じじゃないと思う方もいるでしょう。

それは違います。

普通に布団やベッドで寝るときは、ある程度柔らかいものの上に寝るため、胸は開かず、肩甲骨も引きつけることはできず、腹横筋の活動も上がりません。

 

すると、日中に崩れた姿勢をリセットすることができずにまた、仕事をしたりスポーツをすることになり、いずれはその延長でケガをしたり身体にトラブルを起こすことが多いのです。

 

このストレッチポールの身体をリセットする機能で、

  • 日中に前屈み姿勢で溜まったストレスを解消
  • 活動の低下した肩甲骨、脊椎の可動域を拡げる
  • 腹横筋の活動を高める

このような効果が起こり、自然に背筋の伸びた姿勢が取れたり、いい姿勢をとるのに過度に緊張する必要がなくなり、リラックス感や、力が抜けて仰向けでベッドに沈み込むような体感を感じやすいのです。

 

ストレッチポールがいいのはわかったけど、肩の動きが良くなるのとは関係なくない。

そう思う方もいますよね。

今度はストレッチポールを肩の治療で使う意味について説明していきます。

ストレッチポールを肩の治療で使う意味

ストレッチポールを肩の治療で使う意味は、先に紹介した論文でも説明の通り、

  • 胸郭を開き
  • 肩甲骨の引きつけ
  • 腹横筋の活動を上げる

 

このことが大きく関係します。

胸郭について

まず、胸郭は肩の可動域と大きく関係します。

肩の動作は角度が上がるほど関節付近よりも、広範囲を使って肩を持ち上げるため、逆に肩以外のところからも影響を受けます。

それが胸郭です。

 

胸郭の動きが悪くなると、その上に沿うようについている肩甲骨の動きも悪くなり、肩にも悪影響を及ぼします。

肩甲骨について

肩甲骨のひきつけができないことも肩の可動域に大きく関係します。

肩甲骨には力が発揮しやすい位置があり、デスクワークに従事していたり、姿勢が悪い人はその位置から外側にずれていることが多いです。

 

力の効率が悪くなるので、肩に余分な力がかかったり損傷も起きやすくなります。

野球やテニスなど、頭の腕まで肩を上げるスポーツ外傷の受傷にも大きく関係しています。

ですので、肩甲骨を引きつける動きはとても大切です。

 

腹横筋について

腹横筋は一見肩の運動に関与していないように思えますが、それは違います。

実は肩を持ち上げようとすると、実際に肩が上がるよりも早く腹横筋が働きます。

 

先行して腹横筋が働くことで、肩の動作を安定して行うことができるのです。

 

イメージが湧きにくいと思いますので、例えば水泳の背泳ぎを想像してください。

背泳ぎで、毎回同じ軌道を描いて肩を上げなければいけないのにばらつく、肩を上げるのにいちいち身体が左右に傾いてしまったら、効率良く泳げませんよね。

 

そこで腹横筋が先行して、身体を安定させることで、肩を上げるのにも体がブレず、毎回同じ軌道で肩を上げることができるのです。

 

今回は水泳で例えましたが、私たちが肩を動かす機序もこれと同じです。

ですので、腹横筋の機能はとても肩にとって大事なのです。

ストレッチポールを肩の治療で使う意味まとめ

  • 胸郭
  • 肩甲骨
  • 腹横筋

これらは肩の運動に大きく影響するのは前項の説明でご理解いただけたかと存じます。

その上で、上記3つの全ての箇所にアプローチできるのがストレッチポールです。

そのことからストレッチポールが肩の治療に最適であり、治療で使う意味であると考えています。

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