- 免疫力低下
- 骨粗しょう症
- 精神症状
- 糖尿病
- 骨壊死
- 消化器系症状
これはステロイドの副作用のたった一部です。
- ステロイドは副作用が怖すぎる!
- 五十肩に多少効くからってそんな怖いものを注射なんてできない!
- ヒアルロン酸の方がいいんじゃないの?
- ステロイドとヒアルロン酸を比較して効果はどうなの?
そんな疑問をお持ちのあなたはぜひ最後までご覧ください。
最後まで目を通した上で、ステロイド、ヒアルロン酸のどちらを使えばいいのかきちんと判断していただければと思います。
動画はこちら⇩
筆者:いしP
理学療法士を15年、年間7500人以上の肩のトラブルを抱えた人が来院する整形外科で、五十肩リハビリ治療責任者として在籍中しています。
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五十肩のステロイド注射で副作用は?
五十肩でステロイドを打つ際には一般的に、キシロカイン(麻酔)を一緒に摂取することが多いので、ステロイド+キシロカイン注射として説明していきます。
このステロイド+キシロカイン注射には強い抗炎症作用、痛み止めの作用があります。
特に痛みの強い五十肩の炎症期に重宝し、強い治療効果と即時性があるのが特徴です。
2011年に日本の医師が発表した論文によりますと、
短期のステロイド+キシロカイン注射で夜間の肩の痛み、可動域の改善も見られた。
河合伸昭、他:夜間痛を伴う一次性肩関節拘縮に対する注射療法の効果.肩関節. p903-906,35巻3号.2011.
と報告しています。
ですので、ステロイド+キシロカイン注射は効果があるんです!
では副作用はどうなのか。
冒頭に挙げた通り、ステロイドには
- 免疫力低下
- 骨粗しょう症
- 精神症状
- 消化器系症状
- 肝機能障害
など、ざっと挙げただけでもこれくらいの副作用があると言われています。
ステロイドというとどうしてもこのような副作用の話になってしまいます。
「ステロイドは危険だ」
「ステロイドは怖い」
ですが、先ほど紹介したものと同じ論文内で
64の肩に対して、平均約5週間に渡ってステロイド+キシロカイン注射を摂取をし、この中で重篤な副作用は見られなかった。
と報告されています。
また同じく肯定的な論文もあります。
40の肩に対して経口ステロイド(飲み薬)と、注射のステロイドを併用して行っても重篤な副作用は見られなかった。
永沢雷太:肩関節拘縮に対するステロイド治療.肩関節,.p975-978,35巻 3号,2011
と報告されています。
2つの論文には共通点があります。
- 低容量
- 短期間
であればステロイドの重篤な副作用は発生していないということでした。
ですので副作用が少ないとあれば、ステロイド注射に恐怖や嫌悪を感じていた方にとってはかなり朗報ですよね!
ここまでを簡単にまとめると、ステロイド+キシロカイン注射は、五十肩の炎症症状があるうちに低容量で短期的に行うと副作用のリスクが低い上に強い効果も期待できます。
五十肩のヒアルロン酸注射で効果について
五十肩のヒアルロン酸の効果についてご説明します。
- 肩の炎症を抑える (抗炎症作用)
- 肩関節内の関節液を補充する
- 肩の動きを滑らかにする
- 肩の小さな傷を治す
- 肩の癒着を防止する
このような効果があります。
効果の発現はステロイドと比較するとゆっくり効いてきます。
ですので、ステロイド注射を1回打った後、2回目以降に打つ注射であったり、炎症症状がなくなってから用いられることが多いです。
2002年に日本の医師によって発表された論文では、
ヒアルロン酸注射を行った群と行わなかった群で、ヒアルロン酸注射を行った群の方が治療期間が短くなった。
舛田 和之:肩関節周囲炎に対するヒアルロン酸ナトリウム(アルツ)による治療期間の短縮効果.Prog Med 22:2869-2870,2002
という報告があります。
ヒアルロン酸は効果がない!
とおっしゃる方もいらっしゃいますが、このように効き目はあります。
またこの報告の中で、副作用に関する報告はありませんでした。
ヒアルロン酸は一般的にも副作用が少ないと言われているので、安全に開始できます。
ヒアルロン酸注射は炎症症状が落ち着いた後、短期〜中期的に行います。
五十肩でヒアルロン酸、ステロイド注射とリハビリの併用は?
五十肩でヒアルロン酸、ステロイド注射とリハビリの併用についてお話ししていきます。
ズバリ!ヒアルロン酸、ステロイドいずれの注射を行う場合にもリハビリとの併用が望ましいです。
しかしながら、行うべき内容はそれぞれ異なりますので注意が必要です。
まず、ステロイド+キシロカイン注射を打っている方は、五十肩の炎症症状が主です。
運動は推奨せず、就寝時の姿勢・肩の生活上での管理方法が重要になります。
>>肩が痛くて眠れない時の原因は?ズキズキする痛みは寝方で対処する!
その後、五十肩の炎症が軽減してくる頃には、肩が拘縮を起こし関節が固まっている状況であることが多いです。
そんな方には、ヒアルロン酸注射+積極的な運動や趣味の再開を推奨しています。
もちろん注射が苦手な方もいらっしゃいますので、その場合は炎症が強いわずかな時期だけ注射をするのもありです。
ただどうしても注射や針が苦手という人は、リハビリのみでの治療も選択することができます。
ですが最初はステロイド注射でとにかく早期に炎症を落ち着かせることがポイントになってきます。
そうすることで後に起きてしまう肩が固まってしまう拘縮期間を、少しでも短くすることができます。
五十肩の治療は最長なんと4年かかると言われています。
のべ治療日数を少しでも短くするためには、炎症を早期に抑え、拘縮のリハビリを早期に始めることがとっても大事です。
五十肩のヒアルロン酸、ステロイド注射まとめ
本日のまとめです。
- ステロイド+キシロカイン注射は低容量、短期間で行う。
- ヒアルロン酸は炎症症状が落ち着いた後の短期〜中期的に行う。
- ステロイド注射の効果は高く、副作用のリスクは論文上懸念するほどではない。
- いずれの注射も運動との併用を推奨する。
糖尿病をお持ちの方や妊娠中など希望しても注射が行えないこともあります。
まずは整形外科医師の診断を受けましょう!
もしご質問がございましたら、YouTube上で質問も承っております!
‘あなたの肩 私に診せてください‘いしPでした!
ではまた!
筆者:いしP
理学療法士を15年、年間7500人以上の肩のトラブルを抱えた人が来院する整形外科で、五十肩リハビリ治療責任者として在籍しています。
実際に治療を受けてみたい方はこちらから
Instagramもご覧いただけるとより深く肩のトラブルが理解しやすいですよ♪
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